2021年04月19日
荘子 C
愚
故
道
愚なるが故に道なり。
「愚」は、世間的には歓迎されない。
然し、その愚には人間の賢しらな知識が働いていない。
だから、それこそ本当の道に合するものだ。
<管 見>
「愚直」という言葉がある。
言い換えれば、「馬鹿正直・一途なこと」ともいえるだろう。
「愚直な人」は融通がきかない。
だから、規則・約束を破ったりされることを嫌う。
相手が目上だろうと目下だろうと、区別はしない。
つまり、相手によって対応を変えたりするようなことはせず、自我第一なのである。
要するに、柔軟な対応能力に乏しいともいえる。
損をすると頭で解っていても、どうしても精神が許さないから、我が道をいくのだ。
形だけの名利の者に限らず、佞弁で世間を渡っている輩は、「諫言」よりも「甘言」を好む。
なれど、「愚直者」には権力者の顔色を窺っての言動なんてことは、死んでもできないのである。
何時の世でも、「愚直者」は少数派である。
従って、世間的に喜ばれない。
然し、その愚には人間の賢しらな知識が一切働いていないのである。
だから、それこそ本当の道に合するものだ、と荘子は説く。
マイ・ウエイお世辞まっぴらで 損もするけど…(有馬三恵子・訳詞)と、かつてのバーブ佐竹は歌っていた。
まさに、「我が生き方・我がやり方・我が道」であり、俺にはそれしかないし、それしかできないのだ。