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荘子 ➅
臣
有
守
也
臣、守り有り。
私には、どうしても動かすことのできない主義主張があります。
権(おもり)を作る工人は、歳が八十になっても作品に寸分の間違いとか手抜かり無かった。
ある人が、その道を訊ねた。
すると、その工人は、
「私は、権(おもり)を作ること以外は、何事にも目を向けないでやってきた」
と言った、という。
<管 見>
権:音読ではケン(漢)・ゴン(呉)。
「解字」によれば、形声文字で、(元々は)測ろうとするものの重さと同じ重力(重さの原因となる力・引力)で、引く分銅の意味。
子供の頃、棹ばかりや天秤で目方を測るときに、分銅を加減して測っているのを見たり、見様見真似で手伝いをしながら測ったこともあった。(あの頃は、勉強より仕事を手伝う方が褒められた)
また、転じて権力の意味を表す(こちらの方が主に用いられている)。
工人:工作を職業とする人・職人
道 :漢和辞典によれば、道路・道理・条理・万物の根源・働き・手段・主義主張・教訓・制度などの字義の他に、「技芸(の道)」の義がある。
従って、今回の場合に該当するのは、「技芸(の道)」だろう。
名工と言われる人がインタビューに答えてのコメントでは、「これまで一度だって、満足したものは出来ない」とか、「一生修行です」というような言葉を見聞きする。
これは決して、単なる謙遜とか言葉の綾などではなく、本音だろうと思う。
やはり、モノづくりを天職とする場合、満足・慢心・妥協は最大の敵なのだ。
この意図するところは、単に技術・技能といった形而下(物質的・感覚的・具象的)よりも、形而上(精神的・理念・普遍・実証的・抽象的)といった点においての拘りだと思う。
言い換えれば、体に沁み込んだプロ根性というか職人魂が許さぬのだ、と受け取るのが至当だろう。