2022年01月17日
孟子 3
「孟子・公孫丑下」2
此 彼
一 一
也 時 時
あの時はあの時、この時はこの時、時に従って最適の道を守る。
この言葉は、得てして誤解を招きやすい、といわれる。
人によっては、弁解・言い逃れする時に用いる場合があるからである。
然し、「孟子」の真意は、決断を迫られた時は時勢に従うのが良い、というのだ。
<管 見>
愚生は、この「至言」について連想するのは、荀子の是々非々(是・非を明白にする場合、常に公平な立場を崩さない)≠ニいう言葉である。
さらに付言すれば、時代の変遷の勢いに逆らうことなく、その時々の出来事に従い言動することは当然であり、その場合夫々の岐路の選択に差が生じることは当然だ、と説いたものなのだろう。
ただ、欠いてはならないのは、「道理」・「公平」・「謙虚」の堅持であろう。
そこで、世の大勢と己れ個人の立場とを考えるとき、
@相互が矛盾する場合
A相互共に整合する場合
とがある。
その時、Aの場合は問題ないのでさて置き、
@の場合を(世の中と自己の)夫々について、さらに糺せば、
*世が正しい道が行なわれている場合には、謙虚に己の身を世の道に従わせて生きる。
*世が正しい道が行なわれていない場合ならば、趨勢に阿ることなく己の道を守る。
になるだろう。
では、夫々の正と不正(邪)とを見極めるにはどうすればよいのだろうか?
(短見ながら)、鏡・鑑の応用だと考える。
それには先ず、
@十分に時間をかけて、現状を正確に把握すること。
A各自のこれまでに蓄積した能力を使って(色々な手法を用いて)、@の材料を分析することで本質を焙り出し
てその内因を突き止める。
その上で、
*歴史
*書・他者
を鏡(鑑)に写す・照らし合わせることで、真の姿を知ることになるだろう。
何れにしても、正しい道を公平な立場で守りながら、道理を見極めて判断する為には、日頃からの学びを怠らないことと、謙虚な姿勢に努めることが肝要だろう。
「道理」は、不変である。
だから、「公平」な立場を堅持し、「謙虚」な姿勢を以て臨むことが肝要なのだ。