2022年08月02日

書経・大禹謨 2

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(舜曰…)

口出好興戎。

口は(こう)()だし(じゅう)(おこ)す。

言葉はその使い方によって、あるいは親善の役をし、

あるいは戦争をも起こす、というのだ。


<管 見>

三寸の舌の先の誤りから、最後に我が身を滅ぼして

しまう例は、今も昔も少なくない。

『尚書』に「口から出る言葉は、人々の友好を

生み出しもすれば、戦争を起しもする」とある。

そのような意味では、最も慎まなければならないのは、

言葉である。


言葉には口頭言語(話し言葉)と書記言語(書き言葉)

あるが、これらは表現方法である。

この場合の言葉の意は、勿論、口頭言語(話し言葉)

あるけども、

*言葉の選択

*抑揚

*表情

*態度

など、口のきき方・言葉使い・言いよう・言いざま

を指す。

つまり、単なる意志の伝達では無く、その人の人間性が

大きく関わってくるものだ。


たとえ、

*朴訥な言い方であっても、好ましく受け取ることが

 できる。

 即ち、言葉以前の問題としての人間性の大切さで

 あろう。

*言葉は至極丁寧であるし、身なりや礼儀も適って

 いるけれども、形に終始していることをそこは

 かとなく体感してしまい、どうしても素直に

 受け取れない。

即ち、言外に相手(話し手)の心のあり方について、

頭でなく心(精神)が拒絶反応してしまうのだ。


このようにして、「言葉」を前面にしてそれのみに

言及してきたけれど、

然し、その「言葉」の発する基に思いに遡り至れば、

そこには「精神・心」であり、さらに「人間性」という

源流に辿り着くのである。

「要は心」なのだ。

改めて「進乎技矣」(荘子)(知識・技術より

以前に大切なものがある)の至言が思い浮かぶ。


〈用語注〉:

大禹:禹は夏王朝の始祖で、同じく聖王の舜

   から禅譲された。

夏王朝:近年、発掘によって『史記』の記述が

    証明された。

();物事の結論を探り求めることで、計る(計画する)


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posted by 頑輝 at 09:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 俳句

お詫び

過日(二日ほど前に)投稿した、「書経2」の記事は操作違いにより、誤りがありました。
大変申し訳ありませんでした。
そのため、削除しました。
改めて、早急に投稿し直しますので、ご了承下さい。
posted by 頑輝 at 09:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 雑記

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