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最 描 難 ど
も く し ち
難 こ い ら
き と ⇒ か を
ぞ 孰 、描
、れ 言 く
曰 か わ の
。 れ が
た
。
鬼 犬
魅 馬
易 難
犬馬は難く、鬼魅(きみ)は易し。
〜犬や馬を難しく、鬼魅(鬼神・妖怪の類い)を簡単だ。
春秋時代、斉の王が、画工に対して、
絵を描くのに何(どちらを)が最も難しいか聞いたところ、
このように答えたという。
その訳を問うと、
*犬や馬は誰しも見知っていて、それだけに上手く描くことは容易ではありません。
それに対して、鬼・化け物は見た人がいない、どう描いてもこんなものか、
と思うだけだから楽なのです。
<管 見>
世の中には、常に小賢しく異(異見)を唱えて高し(高尚)となす人がいるが、
実際は、ごく平凡な
*日常のコト(モノ)
*ありふれたコト(モノ)
*身近なコト(モノ)
の実現が一番難しくもあり、また貴重であるのだろう。
序でに記せば、(以前、平家物語を読み、それに因んで学んだ〜)『臨済録』にあるといわれる、
禅語の「無事是貴人」(特別なことより、無事がなにより。あるがまま当然のように生きていくこと)
の言葉が呼び起こされた。
元来、手前勝手な愚生は、とかく日頃些細な事柄に対してもつい不平・不満を口にしてしまう。
その反面一旦災厄が起こると、平凡なことの有り難さを望む、という年を経ても治らない厄介な性分だ。
(当たり前の有り難さ)
八十路に入った現在、まさに愚老である。
「鉄は熱いうちに打て」というが、冷めきってしまった現在、最早遅しである。
ならば、せめて「無事是貴人」を胸に刻み、反省の繰り返しであろうとも、日々の精進に努めたい。